「だめ、今日は疲れたでしょ。しっかり休んで。」


碧音さんてけっこう頑固だ。でも自分だけゆっくり休むなんて申し訳ない。



「じゃあ一緒に寝ましょう?」


こんなことしか思いつかないなんて私はバカだなぁ。なんて思いながらダメ元で聞いてみた。


「・・・・・・・、」


唖然としている碧音さん。やましい感情がなければ別にいいと思うんだけど。


「わかった·····、君がいいなら。」


時計を見るともう12時を回っていて碧音さんのお部屋へお邪魔した。
·····どうしよう。普通に考えてシングルベッドって分かるのにそこまで考えてなかった。2人で寝るってなるとかなり近い·····。


「やっぱ俺、リビングに行くから。」


碧音さんは気まづそうな顔でドアノブに手をかけた。


「大丈夫です·····!」


何が大丈夫なのか自分でもよく分からずにそんなことを言った。碧音さんがなにかするわけない。
それに12月なのにリビングにいたら風邪をひいてしまう。


「じゃあ俺こっち座ってるから。」


碧音さんは部屋の暖房をつけて私を強制的に寝かせベッドの横へ座って電気を消した。



「今日、信じるってあいつに言ってくれたでしょ?」


知っていることに驚いて返事をできなかった。すると碧音さんはそのまま話し続けた。


「嬉しかった。けど今までの俺の過去を知ってればそう簡単に信用なんて出来ないよなって、さっきの話で腑に落ちた。」