「お待たせしましたー。長く使っちゃってすみません·····。」


「碧音が急かしちゃってごめん(笑)」

「気は使わなくていいから。」


会話をすればするほど皆さんが優しい性格だと伝わってくる。


「てか、髪乾かさなかったの?」


「·····苦手で、 」


髪を乾かすのは元々苦手で基本自然乾燥だ。たまにお兄ちゃんが乾かしてくれるくらい。
碧音さんに肩を掴まれそのままソファへ座らされた。


━━ブォォォォ━━


ドライヤーの独特な音が後ろから響いてきて温かい風が頭へとやってきた。そして碧音さんが髪を乾かしてくれてると気がついた。


「自分でやるんで大丈夫です!」

「いいから。お詫び。」


力加減を考えてくれているのか優しく触れてくれる手。なんだか少しくすぐったかった。

すごく視線を感じて前を見ると皆さんがニヤニヤしていた。恥ずかしい·····。


「さて、そろそろ明日の準備でもすっかー。」

「忙しい、忙しい。」


呟きながら各々自室へと入っていった。リビングには私と碧音さんだけ。髪を乾かしてくれてる間、碧音さんは何も喋らなかった。


≈数分後≈


「この家お客さん用の布団とかなくてさ、悪いんだけど俺の部屋のベッドでいい?俺は朝まで部屋に入らないから。」

「私はリビングにいさせてもらうので碧音さんはご自分の部屋で寝てください。」


急に泊まらせてもらうのに迷惑ばかりかけられない。寝不足でお仕事に支障が出ても大変だ。