信用されてないってわかったあとなのに俺の気持ちは高ぶっていた。いつか必ず気持ちを伝える。そう決心できた。


そして問題は今の彼女へと変わった。


「髪····、せっかく伸ばしてたのに。今からでもやってるとこあるかな?」


綺麗に束ねていた髪はナイフで切られ肩あたりでバラバラになってしまっている。こんな時間じゃ美容室ももう空いてないだろう。


「明日はお休みなので明日行ってきます。」


そんなふうに言われても好きな子をこんな髪型で歩かせるのは抵抗しかない。
言葉に詰まっていると右京が声を出した。


「俺でよければ切ろうか?つってもほんと揃える程度しかできねぇけど。」


確かに適任だと思った。右京はたまに俺らの髪も整えてくれる。切ってくれたあとは散々文句を言って早めに美容室に行くけど。ひとつ疑問とすれば女子の髪なんて切ったことあんのか?そんな質問をした。


「いや、追求するタイプだから動画では見てるけど。」


要するにやった事は無いらしい。他に頼めるやつもいないし本人に聞くと仕上がりのことは気にする素振りもなく迷惑でなければとあっさり言った。


彼女はいつも通りの表情で穏やかな雰囲気に感じた。




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桜音羽目線


「わぁ····!」

「ほんとごめんなー。こんなのしか出来なくって。」


右京さんが私の髪を切ってくれてボブの仕上がり。前髪も整えてくれて私は大満足。それでも周りの人は色々言った。


「右京にしてはいい方だな。」

「もっと高級美容室みたいにしろよ。」

「無理に決まってんだろ。」

「そうそう、右京だぜ?」