「本当に李桜くんには悪いことしちゃった〜!桜音羽ちゃん聞いて!」


私が聞く体勢に入ると2ヶ月前のことを教えてくれた。自分の手を力強く握りしめて苦しそうな表情で。辛そうな雪ちゃんを見ると私も胸がキュッと閉まる思いだった。



「中3の頃にちょっとした一言で意識し始めてね。
元々一緒に出かけたりはしてたんだけど李桜くんがデビューしてから写真とか気になっちゃってあまり会わなくなったの。
李桜くんが言い出したんじゃなくて私から。夢を邪魔したくなかった。
それでも連絡は頻繁にとってて桜音羽ちゃんの近況とかも聞いてた。
····2ヶ月前、久しぶりに会おうって話になって全然会えてなかったから私は舞い上がって二人で会ったんだ。久しぶりにたくさん話してくだらない話で笑って凄く楽しかった。画面越しじゃない李桜くんを見て気持ちが溢れ出してつい伝えちゃったんだよねぇ·····。」



アイドルとして活躍してる好きな人を応援するんなら気持ちは伝えちゃいけなかった。それが1番気がかりらしい。そしてお兄ちゃんの態度に少しムカついた。


「冗談って思ったみたいで笑って終わったんだけどそのあとから連絡が来なくなったんだ。で、今から3週間くらい前に桜音羽ちゃんのことで連絡くれたんだけど仕事関係で地方に行ったりもしてたから全然来れなくて·····遅くなってごめんね。」