そして乗る順番が回ってきた。
このジェットコースターは2人ずつ座るタイプらしい。


「君は俺の隣ね。」



碧音さんはそう言って手を差し出してきた。



━━パシッ━━


だけど私の手を掴んだのは朝陽さん。



「ごめんっ·····!桜音羽っち僕、絶叫系無理で、一緒に待ってよう·····!」


そのまま出口の方へ連れていかれた。
碧音さんは固まったままで浬さんも驚いているみたいだった。



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「····俺と乗りましょ!碧音さん!」

「マジかよ。」

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「こうする予定でわざわざ並んだんですか?」


苦手ということを口実にするならもっと早く言ってもいい気がした。



「だって、並ぶのも醍醐味でしょ?
長時間並んでワイワイ喋ってやっと順番だー···って、先生も言ってたしその方がいいかなって思ってさ。それとも並ぶの疲れちゃった?」

「大丈夫です····!
まだまだ遊べます!」



そこまで考えてくれてたんだ。
私に出来るのは今日を楽しむことかな?


「こまめな休憩って言ってたから降りてくるまでベンチに座っとこ!」



朝陽さんは私中心で動いてくれてる。
せっかく遊びに来て長時間待ったのに手を引いて連れ出してくれた。
だけど···碧音さんの手を握れなかったのが残念なんて。 欲張りだよね。