「よし、電話してみてくれる?」


「は、はい。」


言われるままスマホの電話ボタンを押した。


━━━プルルルル····━━━


『もしもし、今日はどのようなご要件ですか?』



「あ、桜樹桜音羽と言います。
気になることがあって····天野先生とお電話することは可能でしょうか?」


『少々お待ちください。 』



····なんだか病院に電話するのって緊張するな。テーマパークのこと、なんて聞こう。


「スピーカーにできたりする?」


「周りに聞かれたら····」


人通りが少ないからと言って誰も通らない訳でもない。



「ここ借りちゃお。」



そう言って物置のような部屋へ連れていかれた。そして電話はスピーカーになった。


『天野です。桜音羽さん?どうしました?』


タイミングよく天野先生に代わったようだ。


「突然すみません。
えっと、その····テーマパー、クって駄目⋯ですよね。」


なんて聞けばいいか分からないまま私は聞いた。
こんなくだらないことで電話するなんてやっぱり良くないよね。



『心臓に負担がかかるのはあまり良くないかな。
アトラクションは無理だと思います。
ただ園内を歩いたり、パレードを見たりは過度なストレスがなければ大丈夫です。
行って雰囲気を楽しみたいならそんな感じで、あとは前にも言ったけどこまめに休憩を挟んでいればいいと思いますよ。』