全部を否定なんてする訳ないや。
だってお兄ちゃんだもん。



「私ね、お兄ちゃんと思い出作りたいし、カラフルBOYSの皆さんとも話すのが楽しい!
⋯それと同じくらい小戸森さんとも過ごしたいなって思った。」


「うん⋯いいんじゃない?」



もう1つ、伝えなきゃ。



「病気のことは、話さない。
私に何かあった時、突然連絡が取れなくなるかもしれない。
もしかしたら心配させるし困らせると思う。
わかっててそう決めたんだから酷いよね。
それでもお兄ちゃんと朝陽さんには言わないようにして欲しい。
気を使われたくないから·····」



友達には会うこともやめたのに私矛盾してるよね。
だけど碧音さんが言ってくれたんだ。
わがままでもいいって。
友達の連絡先は消しちゃってもう連絡は取れないけどそれで良かったと思ってる。
2人はきっと楽しく生きていける。
それでもカラフルBOYSや碧音さんとだけは残りの時間を過ごしたい。
すごくわがままになっちゃったなぁ。


「じゃあ朝陽にも伝えとく。」


すんなりと返事をしてきた。



「わかってくれるの⋯?」



口を開けて笑うお兄ちゃん。
そこに嘘はない気がする。


「桜音羽が生まれた時に決めたからね。
何があっても俺だけは味方だって。
どんなに桜音羽が悪くて周りから嫌われたって俺だけは隣にいるよ。」


この前の言葉はふとでてきた言葉じゃなかった。ずっと前からお兄ちゃんの中にあったんだ。