「じゃーなお前ら。」



生意気な奴らにも一言。



「遊園地行きましょうね!」


「楽しみにしときます!!」


「お疲れ様ですー。」



俺、結構頑張って怖い先輩演じてたはずなんだけどあいつらの感覚がわかんねぇ。
とりあえず家には帰れなかったけど仕事に戻るか。



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「表情が柔らかくなってますね。
なにかいい事ありました?」


「んー、⋯まぁ桜が綺麗だったってところかな。」


「桜·····?秋ですよ???」


「んふふ。」


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桜音羽目線




今日のお出かけ楽しかったなぁ。
思いがけず小戸森さんに会えちゃったし。
気が緩んでつい寂しいとも言ってしまった。
会えただけでも嬉しいのにもっと一緒にいたいと思った。
だって、また小戸森さんに会えるか分からないから。
·····今日は偶然会えたけどこんな偶然何回もあるわけない。
会いたいなら自分から言わないと。

お兄ちゃんはこれからどうしたいのかしっかり考えるように言ってた。
私はこれからどうしたいんだろう。


━プルルルル━


小戸森さんからだ。
連絡してくれるって言ってたけど本当してくれた。嬉しいなぁ。


「もしもし?」

「お、出てくれた。」

「もちろん出ますよ?」



小戸森さんからの連絡は嬉しくてたまらない。
通話ボタンを押す選択肢しかないに決まってる。