先生はしばらく黙ってた。



「顔を上げて。」



そう言われゆっくりと顔を上げる。

少し困った顔の先生がいた。



「あなたは18歳で、成人として扱われます。
ですが出来れば御家族と共に聞いてもらいたいのがこの病院の方針です。
後日、必ずお兄さんと来ていただけますか?
それまでに今日の内容を話せなければもちろん私がお話させていただくこともできます。」



私からお兄ちゃんに言えなければ先生が説明してくれる。



「もしも、ご自分からお話したいのであれば病院に来る前にお話していただいてそれからの方針を私と、ご本人、そして御家族と決めていきたいと思います。」



私はこの時、心の底から担当医が天野先生で良かったと思った。



「自分から話そうと思います。
なのでどうか教えてください。」