「行きたい所あるー?」


楓ちゃんはそう言ってくれた。
親友と行きたい場所····無計画で誘うなんてやっぱり失礼だったな。
とにかく一緒に出かけたかった。



「ひと駅向こうまで行っちゃう?
丘とかあって自然が多いけど可愛いお店とかもあるしさ。僕はお気に入りの街。」



自然か、私は好きだなぁ。


それに····「楓ちゃんの好きなことを知りたい。」



沢山の思い出を作りたい。



「じゃあ行こー(笑)」


私たちはカバンを持って玄関を開けた。



「わっ·····!」


「うぇ·····!?」



扉の反対側から誰かの声がした。
私と楓ちゃんは扉から顔だけ出して覗いてみた。
そこには山崎さんと川島さんがいた。
今日お休みと言っていた2人だ。



「何してんの?」



楓ちゃんが2人にそう言った。



「仲良くなりたいからに決まってるじゃん!」



2人は堂々としてる。



「桜音羽っちーあそぼー♪」


━バッ━


「へっ·····!?」



川島さんは両手を広げて私へ向かってきた。

━━━グイ━━━


「危な·····。」



気がつくと楓ちゃんが私を引き寄せていた。



「そんなことしてると李桜から殺されるよ。」