優しい瞳で私を見つめた。



「もちろん。お待ちしています。」



見送られて私達は歩き始めた。
細い道を抜けると人通りの多い、馴染みのある道にでてきた。



「あ、メンバーにも桜音羽が仕事してくれるってメッセージ送っとかなきゃ。」



むしろメッセージでいいの?そう思いつつも私は言わなかった。
お兄ちゃんが決めることだし。
·····ちょっと疲れたな。
どんどん体力が落ちている気がする。
元々そんなに体力がある方でもないし、弱気になったらもっと体力が無くなる気がする。
あんまり気にしないようにしよう。



「もう夕方だし、今日は帰ろうか。
また今度一緒に出かけよう。」


「そうだね。」



お兄ちゃんは私の体調に気がついたのかもしれない。だけど言わずにいてくれた。



「わ·····、」



私は躓いた。



「どうぞ。」



笑いながら手を差し出してくれる。



「ありがとう。」



お兄ちゃんの腕を掴んで私は歩いた。
帰る時、メンバーの皆さんから電話がありお兄ちゃんは話していた。
帰宅後すぐは1人と個別で電話して私の病気を説明してたみたい。
一息ついたら誰が事情を知っているのか聞いておこう。

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あっという間に夜だ。
外は暗くなっている。
ソファで一息ついていると隣でお兄ちゃんがスマホを見ながら固まっている。



「どうしたの?」


「·····」




返事は無い。