宇喜多さんは笑いすぎて出てきた涙を拭きながら言った。



「うーん、じゃあこうしよう。」



そして私に近づいた。



「また来ていただけるように願いを込めて。 」



耳の辺りの髪になにか付けられた。



「初回のお客様には時々贈り物をするんだ。
このヒルガオという花のアクセサリーや置物をね。
花言葉は『親しい付き合い』
これから桜音羽さんや李桜くんと『親しく永いお付き合いができますように。』
お代はまたその時に。」



素敵な花言葉·····。
それにすごく綺麗で大人っぽい髪飾り。
ここまで言われたら今日は引くしかないよね?私はお礼を言った。



「宇喜多さんありがとうございます·····。」



優しく微笑む宇喜多さん。



「はい、李桜くんには置物。」


「え、あ···ありがとうございます。」



お兄ちゃんも受け取らざるを得なそう。
お店の外まで宇喜多さんは出てきてくれた。



「そうだ。この前も言ったけど桜音羽さん、私のことは“たけ”でいいよ。
もちろん、李桜くんも。」



失礼じゃないかな·····。
ご本人が言ってるからいい?



「じゃあたけさんご馳走様でした。」



お兄ちゃんは躊躇無く言った。
やっぱりお兄ちゃんは会話になれているというか喋るのが苦手な私と違うなぁ。
私もお兄ちゃんを見習おう·····。



「たけさん、また来てもいいですか?」