このお店は木に囲まれているからか空気が気持ちいいなぁ·····。



「桜音羽ー。」



電話が終わったようで呼びかけられた。
私は窓を閉めて座布団へ戻った。



「とりあえず、働くことはOK。
ただ病気のことどこまで話す?上の人にはどの道伝えとかないといけないから今話させてもらったけど·····。」



病気だけど働くことを許してくれるんだ。
受け入れてくれたんだから迷惑をかけないように気をつけなくちゃ。



「お仕事はカラフルBOYS専属?」


「もちろん、他のところになんて行かせないよ(笑)
一応マネージャー見習い。
バイトと一緒だからシフトとかはある程度自由だと思う。出勤は週2日から3日ね。」



誰に話して誰に話さないべきなんだろう。
線引きが難しい·····。



「難しいことは考えなくていいよ。
桜音羽の気持ちを教えて?」


「病気のことはあまり話したくない⋯かな。
心配されるの嫌だし、病気だから甘えてるとも思われたくない。
それに病気の妹を抱えて可哀想ってお兄ちゃんが思われるのも嫌だ。」


「たしかに、もし情報が流出してファンとか一般の人に知られればある事ないこと言われるだろうね。
·····何か言われても余計なお世話だし(笑)」



伝える人は慎重に選ばなきゃいけないんだ。