涙目のお兄ちゃん。
私····お兄ちゃんに対してすごく失礼だった。
私を大切にしてくれてるのに迷惑かけてるなんて言ったらお兄ちゃんのやってきたことが無駄になってしまう。
そうか、私は迷惑なんて思っちゃいけなかったんだ。
心から感謝をして一言、言えばいいんだ。



「ありがとう·····。
大切にしてくれて、ありがとう!」



━━━フワッ━━━


優しく包み込まれた。
お兄ちゃんの腕の中は暖かいなぁ。



「やりたい事、なんでも言ってよ。」


「本当にいいの?」


「もちろん····!」



なら遠慮なく言わせてもらおう。



「今日も一緒にデートしたい!」



まだまだお兄ちゃんと沢山の思い出を作りたいよ。



「どこに行こっか?
とりあえず病院疲れたでしょ?
それに早く事務所にも連絡して一日でも早く仕事できるようにしたいよね。」


「本当に嫌じゃないの?私が手伝うの·····。」


「何も嫌じゃないよ?····ただ、桜音羽をメンバーに会わせたくなかっただけ。
あいつらすぐに食いつくから。」



良かった。
嫌なんかじゃなかったんだ。



「どこがいいかなー。」


「あ·····!私行きたいところがある!」



私はお兄ちゃんに行先は伝えず案内した。
まるで私が見つけたお店のように。