最後に天野先生は笑顔で言っていたけど私は釘を刺された気がした。
走ったことを言われてる。
帰り道、お兄ちゃんは私に言ってきた。



「先生も言ってたけど無理は本当にしないでよ?とりあえず今から事務所の人達に連絡してみようかな。」


「ありがとう·····。」



なんだか申し訳ないなぁ。
わがままばっかり言ってる気がする。



「どした?」



お兄ちゃんが私の顔を覗き込んできた。



「·····ごめんね?わがままばかり言っちゃって。
迷惑だよねぇ。」



大事なお兄ちゃんの時間を奪ってしまってる。



「何言ってんの?」


・・・・・・・


なんだろう。
どんな反応をすればいいんだろう。
お兄ちゃんが今まで見た事のない顔をしてる。



???????



頭が真っ白になった。


━━むぎゅぅぅぅぅぅ━━


お兄ちゃんの大きな掌が私の頬を捕まえた。



「おひぃ、ちゃ?」



潰されているせいで上手く声が出せない。



「わがままでも迷惑でもない。
桜音羽のやりたい事はなんでも叶えてあげたいの!それは病気だからじゃない。
俺の大切な妹の桜音羽だから望むことはなんでもしてあげたい!
絶対に迷惑だなんて思わない。
これからも桜音羽のやりたい事なんでも教えてよ·····。」