「そうだ、桜音羽ちゃんも行くなら人数変更するわ。」



速水さんはどこかに電話を始めた。



「焼肉好き?」



右京さんは私に質問をした。コンサート前に私のせいで空気が悪くなったのにそれでも優しく話しかけてくれる。
でもご迷惑だろうし·····これ以上小戸森さんに関わらなければいいだけだ。



「やっぱり私は帰ります。
昨日と今日はお世話になりました。」



よし、帰ろう。



「君は俺の事嫌い?もう関わりたくない?」



だって飛鳥馬さんはすごく嫌なんだろうし それは他の皆さんもそうかもしれない。
小戸森さんにだって迷惑だ。
どうして小戸森さんはこんなにも私の目を真っ直ぐに見つめてくるんだろう····どうして小戸森さんだと気持ちを全て伝えたくなるんだろう。



「わた、しは·····」


「どうやら君には何回も伝えないと分からないみたいだね。」



小戸森さんは私の頭に手を置いた。



「昼間も言ったでしょ?1番大切なのは君の気持ちって。生きたいように生きればいい。他の人のことなんて考えなくていい。


俺が君の願いを叶える。」



だから·····どうして…



「·····そんなこと言われたら私はどんどん我儘になっちゃいます。」



話しちゃダメ。私の気持ちなんて奏の皆さんには迷惑なんだから。