季節は巡って、3月某日。

私達が通う高校は卒業式を迎えた。

式典の間、在校生にとってやること自体ははあんまりなくて。

ただ黙って、卒業していく先輩達を見送るだけだ。

卒業式が終了した後、まず私は、シュンが在籍しているC組の教室に向かった。

中に入ると、シュンが通学用の鞄(というか袋?)を持って、ちょうど教室の外に出るところだった。

『あ、よかった。まだいた!』

『今日も作業あるから、帰らねぇよ。』

『そうだった!慌てなくてよかったのか!でも、ついてきて!』

『あぁ…?』

私はシュンの手を引っ張りながら、歩き始めた。