校門を抜けるとシュンに話しかけられた。

『おい。帰るぞ。』

どうやら、私のことを待っていたようだ。

なぜか、一緒に帰る前提で話が進んでいる。

『1人で帰って下さい。私も1人で帰るから!』

『できない。お前のかわいさ目当てに、声をかけてくる阿呆がいるかもだからな。』

この人もさらっとこういう事を言う。

でも心配している内容は、隕石が降ってくるかもしれないから危ないと言っているのと変わらない。

『大丈夫!もう高校生だし!』

『だりぃ。いいから行くぞ。』

しかし、(いや、当然。)このシュンって奴は聞く耳を持たない。

このままイタチごっこが続くのは避けたかった。

『今日は本当に時間ない…!寄る所があるから…。明日だ。明日はお願いします!』

焦ってしまったせいで、明日とか言ってしまった。

私は激しく後悔した。

『あぁ。明日な。』

シュンはニヤリと笑ってから、歩き出した。

思ったよりもあっさりと引き下がってくれたので、助かった。

どうにかこの場を切り抜けたようだ。

『ふぅ…。』

今日はもう疲れた。

甘いものでも食べてから帰ろう。