｢私のことが分かった？この一瞬で？｣

｢うん、そう。俺のどツボにハマったの。野生の勘ってやつ？｣


いやいや、絶対に適当でしょ…。

しかも私どツボにハマるようなことした記憶も無いんだけど。


｢とりあえず、出会って間もないあなたにホイホイ着いて行かない。諦めて。｣



キッパリとそう言って、体を前を向かせようとすると、



｢んぐっ、！！｣



力強い大きい骨ばった手が伸びてきて、顔をグッと掴まれて蜂谷さんの方を無理やり向かされた。


…っ、強、



｢…にゃに、｣


｢分かった。とりあえず俺が蜜ちゃんと仲良くなって深ーく知れば良いってことでしょ？｣


｢…しょうゆことじゃ…っ！｣


｢ううん、そうゆうことだよ。だからすぐには強要しないけど諦めるのは無理。俺頑張るからよろしくね。｣



そう言ったこの男の顔は心の底から楽しそうで、








どうやら私は絶対に気に入られてはいけない人に、


気に入られてしまったらしい＿＿＿＿＿＿＿＿。