先生はいつも、裏表あるプリントを配って、1時間後に戻ってくると言って教室を出て行ってしまう。

そのおかげで、私たちはお互いのことを話して、仲がぐんっと縮まった。

「へ〜、すずちゃん、茶碗蒸し好きなんや〜。意外や〜」

「そっちこそ、苦手なものがお肉って。男の子は全員お肉が好きなんだと思ってた」

「いや〜、だってあれなんかよりもっと美味しいもんあるやろ。万願寺とうがらしとか万願寺とうがらしとか」

「万願寺とうがらしばっかじゃん」

「いや〜、ほんま美味しいねんで!今度すずちゃんも食べてみ!?マジで美味しいから!」

「うん。そうしてみる」