「ごめん、お母さん。取り乱して」

「いいのよ。びっくりしたわよね」

お母さんは誰が来たのか、話し始めた。

「琴葉の思ってる通り、担任の先生と琴葉のクラスの男の子が来てくれたの」

「男の子って誰?」

「九条くんって言ってたわ」

私が中学に行けなくなる前、席が隣だった男の子だ。

私はクラスでずっと息を殺していたので、話したこともない。