動いている世界に置いていかれていた。

自分のペースで世界を回し始める。

「よし、準備出来た」

「学校に入れずに帰ってきてもいいのよ」

お母さんが心配そうに言った。

「泣いて帰ってきたら、慰《なぐさ》めてね」

「もちろん」

お母さんが笑った。



「行ってらっしゃい」



「行ってきます」



動き始めた世界は案外悪くないかもしれない。