お母さんの涙に私も釣られて、涙が溢れた。

「実際に学校に行けなくてもいいの」

「心から急《せ》かそうなんて思ってないわ」

「でも、学校に琴葉のことを忘れないでいてくれる子がいる」

「そのことを琴葉も忘れないで欲しいの」

お母さんは涙でぐちゃぐちゃの顔で笑った。