目が霞んで顔が見えないけど、

よく聞いた声。

「れん、、くん、？」

「無理に話さなくていい。

ちょっと我慢して。」

蓮くんは軽々と私を抱き上げて

車の後部座席に寝かせた。

「ん、、、車濡れちゃうよ、、、」

「車なんて今どうでもいい。

はな、辛いな。

吸入器どこ？」

「がっ、こうにおいてきた。

たすけて、、れん、くん、」

「病院まで運ぶから、

意識は頑張って保ってて。」

蓮くんは運転席に乗って、エンジンをかけた。

大学病院まですぐだけど

息苦しくて、すごく長く感じた。