彼の胸に抱かれている

これは、現実なんだろうか。

「泣かないの。

ちゃんと、王子様が迎えにきてあげたでしょ?

泣いてる顔も、可愛いけど。」

「うるさい。ばか。」

結局、彼には感服だ。

彼の体温が、心を溶かしていく。

吐息が甘くて、鼻先がこそばゆい。

久しぶりのキスは、舌に当たるピアスの感触が

異様に愛おしかった。

「もう、離さないから。

覚悟してね。」