龍くんは呼び出しがあったみたいで、

しばらくして出て行った。

「どう、少し楽になったかな。」

佐倉先生に聞かれて、はっと気づいた。

あのお薬を入れて数分

体がすごく楽で、痛みもなくなっている。

「うん、もう全然平気。

さっきのお薬のおかげって、ことだよね。」

「うん、そうなるね。」

「こんなすぐ効くお薬があるんだね。

早く教えてくれればよかったのに。」

「いや、」

先生は少し躊躇う。

「この薬、たまに使うくらいならいいんだ。

でも、常用するとなると

はなちゃんの病気の進行を食い止めてる薬と

相性が悪いから

そっちをやめなくちゃいけなくなる。」