誰か人の走る足音が近づいてくる。

「はなちゃん?!大丈夫?」

この声は、龍くんだ。

よかった、今日龍くん夜勤なんだ。

「誰か呼びに行こうと思ったんだけど

歩けなくなっちゃった。」

「とりあえず、部屋戻るよ。」

体が浮いて、ベットに戻された。

気持ち悪くて、目が開けれない。

「なんでいつもナースコールしないの。

すぐ押してって言ってるのに。」

「ごめん、、、

ねぇ、龍くん、さむい、」

頭は熱いのに、体は震えるくらい寒い。

額に冷たい手が当たる。

「あっつ、、、

龍さん、何度ですか?」

あれ、この声、佐倉先生だ。

てことは、この手は佐倉先生の手か。

「40度ちょうどです。」

はぁ、、、最悪。上がってる。

自分の体温聞いてるだけで更に具合悪くなりそう。

「はなちゃん?

ごめんね、辛いのに申し訳ないんだけど

症状言える?」

「さむい、からだいたい、、、」

意識を保つので正直やっとだけど

なんとか声を絞り出す。

「これ以上あがったらマズいな。

ひとまず熱下げないと危険だから

解熱剤入れていい?

なるべく副作用少ないのにするから。」

正直もうどうにでもしてって感じだけど、、、

首を少しだけ動かして頷く。

「ちょっとチクっとするねー。」

龍くんの声がする。

今はそんな針の痛みはほぼ感じない。