「南野さん。

こんなところで何してるんですか。」

背後から怖い声が聞こえてきた。

久しぶりに名字で呼ばれて背筋が凍る。

「佐倉先生、、、」

「せんせいは、だーれ?」

「佐倉先生って言って

わたしの主治医の先生だよ。

きみのママでいう、蓮先生みたいな感じかな。」 

ぼくは、無邪気に佐倉先生を見つめる。

「へー、じゃあせんせいは

おねーちゃんのヒーローなんだね。」

「そうだね。

そうだと、いいんだけどね。」

少し困った顔で、先生は答える。