抱き上げた瞬間に音を立てて

何かがバラバラと落ちた。

地面を見ると、大量の市販薬の殻。

解熱鎮痛剤に、胃薬、咳止め諸々。

自分の体を騙し騙し、頑張ってきたんだろう。

市販薬、飲んじゃダメっていってたんだけどなぁ。

「ほんと、無茶するの得意だね。」

白い頬を撫でながら、皮肉を言う。

意識がないはずなのに、

少しバツが悪そうに笑った気がした。