「はなの前で、そんな顔すんなよ。

怜が不安不安なそぶり見せたら、

あいつも不安になるだろ。

万年反抗期みたいな態度だけど、

なんだかんだで

主治医の怜を1番信頼してるみたいだから。」

少年みたいな屈託ないはにかみで

目を合わせてくるこいつ。

男の自分でも嫉妬するくらい顔が整っていて

腹立つな。

___ppp

2人の世界を割るように、PHSが鳴る。

癖で自分の胸ポケットに手をかけたものの

かかってきたのは蓮の方だった。

「悪い、呼び出しかかった。

鍵閉めといて!

よろしく!」

宙を舞って鍵が投げられる。

一方的に閉まるドア。

「、、、ったく」

まだ火を保っているタバコを強引に消して

お人好しにも鍵を閉めて、病棟に向かった。