「バレちゃったか〜。

はなと俺だけの秘密の場所だったんだけどな。」

呑気に笑っているこいつに

腹が立つものの

注意する気力も湧かない。

「1本くれよ。」

タバコは大学時代にやめた。

百害あって一利ない。

しかし、思案が煮詰まると

今でも無性に吸いたくなる。

「お前、辞めたんじゃなかったの。」

そう言いながらも、1本手渡して来る。

夕焼けを見ながら、

お互い無言でタバコを燻らせる。

冬の冷たい風が頭を冷やすのにちょうどいい。