「僕の彼女なんだけど、やめてもらっていい?」

口調は柔らかいものの

物凄く殺気立つ声が聞こえた。

瞬間、晴人の手が離れる。

聞き慣れた声の主。

、、、でも蓮くん、じゃない。

「はなちゃん、ごめんね。

少し揺れるかも。」

抱き上げられたその視線の先には、

佐倉先生がいた。

「先生、、、どうして。」

想像以上にがっしりした腕に抱かれながら、

先生に問う。

「彼氏のふりしてごめん。

蓮に頼まれたんだ。

あまりに心配だから、見に行ってくれって。

そしたらこの有様。

、、、蓮の心配する気持ちもよく分かるよ。」

少し呆れたような、苦笑いである。

「こ、今回は晴人が悪いもん、、、」

「男なんて所詮あんなもんなんだよ。

はなちゃんは人を疑う気持ちを持った方がいい。

自分を守る術を身につけないと。」

返す言葉がなくて、黙り込むしかないわたし。