ベットに近づいて、愛しい寝顔を見つめる。

「、、、ん。あれ、?

はな?

え?

俺、まだ夢見てる?」

驚いた顔で、頬を撫でられる。

「ごめんね、起こしちゃった。

今日成人式でね、どうしても振袖見て欲しくて。

一生に1回だし、、、」

「え、ちょっと待って。」

蓮くんは起き上がって、まじまじと見つめてくる。

静まり返る室内には、時計の秒針の音が響く。

どうしたんだろうか。

「めっっっちゃ、、、可愛い。」

顔を手のひらで隠して、ため息をつく蓮くん。

「ちょっと待ってて。すぐ戻る。」

そう言って寝室を出て行った。

しばらくして戻ってきた蓮くんは

手に香水瓶を持っていて

おもむろにその香水を自分の手首にかけた。

「本当はこのまま閉じ込めて行かせたくないけど

しょうがないから、

マーキング。」

そう耳打ちされて

蓮くんの手首が、わたしの首に触れる。

いつも蓮くんから香る

妖美な香りの香水。

「ふふ、蓮くんのにおいだ。」

「俺のものだからね。

この可愛いお姫様は。」