「きちゃった。」

結局お母さんに少し無理を言って、

式の前に蓮くんのマンションに送ってもらった。

マンションのエントランスや廊下ですれ違う人から

ものすごく視線を感じる。

振袖で歩いてる人は見ちゃうよね。

ちゃっかり勤務表を熟読しているので

今日は何もなければ夜勤のはず。

なので、昼はおうちにいるはずなんだけど。

カードキーをかざして、そぉっとドアを開ける。

リビングには、いないか。

となると、寝室かな。

寝室を覗くと、すやすやと眠る蓮くんとリリー。

そうだよな、今の時間寝てるよね。

起こすの申し訳ないし、

寝顔だけ見て帰ろう。