「こんな体力で、社会人なれるのかな。」

ぽつりと呟く。

こんな1日働いただけで

点滴してるのどうなんだろうか。

「大丈夫。

そのために、

はなちゃんには蓮くんも怜くんもいるんでしょ?

あの2人、はなちゃんが夢叶えられるように

いっぱい考えてるよ、毎日。」

点滴の針にテープを貼りながら

笑顔でそう答えられる。

「ねぇ、はなちゃん。

さっきの俺と佐倉先生との話聞いてたでしょ。」

「えっ、」

「そりゃあんだけ狼狽えてたらわかるよ(笑)

はなちゃん小さい頃から演技下手だし。

モテモテだね〜。

病院で王子って呼ばれてるんだよ、あの2人。

その2人から同時に好かれるなんて。」

「わたしはそんなこと予想してなかったから

正直信じられないよ。

佐倉先生、わたしのこと

子供としか見てないと思ってたし、、、

わがままだし、おっちょこちょいだし

なにがいいんだか、わかんない。」

「んー、

はなちゃんは独特の癒し効果があるっていうか

周りを幸せにするオーラが出てるっていうか。

上手く言えないけど

あの2人が好きになるのも

わかる気がする。

まぁ、俺は奥さん一筋だから安心して(笑)」

龍くんは若い時に結婚してて

2人子供がいる立派なパパなのだ。

「龍くんは奥さんにぞっこんだもんね。

でも、わたし蓮くんと付き合ってるのに

どんな顔で今後佐倉先生と接したらいいのかな。」

「別に今まで通りでいいんじゃない?

はなちゃんが幸せになれる道を

選んでいけばいいんだから。」

幸せになれる道、、、か。