龍くんがいなくなったことで

診察室に2人きり。

はやく龍くん戻ってこないかな。

「なにこれ。」

わたしの診察をしていた佐倉先生が

突然声を上げた。

「なにこの、首のアザみたいなの。」

やばい。

首の跡に絆創膏貼らなきゃと思ってたのに

忘れてた。

「いや、これは」

「なにかの病気の初期症状かもしれないから

隠すのやめて。」

跡を隠す手を掴まれる。

蓮くんにやられたなんて

口が裂けてもいえるわけないし、、、

「いや、うちのわんちゃんにやられたの。

遊んでて噛まれちゃって。」

「そう。

まぁ、確かに噛み跡っぽい、、もんね。」

こんな犬みたいなことしてくる

蓮くんはもはや猛犬なので嘘はついてない、、、

「でも、はなちゃんのうちのわんちゃん

チワワだよね?」

うわぁ

前、ミルクの写真みせたんだった。

過去のわたしを、今だけは恨むよ、、、

「う、うん、なんか機嫌悪かったみた、」

「蓮でしょ。」

、、、えっ

「蓮にされたんでしょ?

わかってるよ。

僕もそんな鈍感じゃない。」

パソコンの方に向き直って

感情をぶつけるようにタイピングする佐倉先生。