蓮くんは泣いていた。

「蓮くん?!

えっ、どうしよ、」

「ありがと、はな。」

ぎゅっと強い力で抱きしめられた。

ふわりと、幸せのにおいがする。

「絶対はなのこと幸せにするから。

もう離さない。」

「こんな私で、いいの?

病気もあるし、わがままだし。」

「はながいいって、言ってるだろ。」

その瞬間、頭の後ろに手が回されて

唇が塞がれた。

前とは違う、体温が上がるキス。

体は触れていないのに

蓮くんを全身で感じているかのようで、

外にいて寒いはずなのに

芯から熱が湧いてくる感覚。

息継ぎをいつしたらいいのかわからなくて

息ができない。

「ふふ、息できてる?かわい。」

私が息継ぎをした時に

余裕そうに言うもんだから、

悔しくて跳ね除けた。

「経験値の差じゃ、勝てっこないもん、、、」

「そうだね、これから一緒に覚えていこ。

、、、ね?」

そう言って立ち上がり、

手を差し出してきた。

「今日は寒いし、そろそろ帰ろうか。」

「やだ、、、

もう少し一緒にいたい。」

「俺もいたいよ。

でも、昨日発作出たでしょ?

流石に親御さんも心配するよ。

未来の僕の親御さんに嫌われるのはやだ。」

「わかった。今日は大人しく帰る。」

「うん、いい子。

おいで。」

手を広げているところに飛び込む。

あったかくていいにおいがする。

ずっとこうしていられたらいいのに。