「松田純!!
果穂に指一本でも触れたら、タダじゃおかないからな。」
雅也が用意周到に工具を片手に駆けつける。
「俺はバルコニーから入る。」
口早に2人にそう告げて、
隣の部屋に駆け込み素早くタキシードを脱ぎ捨て、バルコニーに走り寄る。
雅也も急いでついて来て、
2人でバルコニーから隣のバルコニーへと飛び移る。
「蹴破るぞ!」
男2人がかりでガラス窓を蹴るが割れない。
強化ガラスか⁉︎
カーテンが閉まっていて中の様子が分からない。
「果穂、大丈夫だ。すぐ助けだす!」
「雅也、何が鋭利なものだ。」
雅也はポケットを探り、車のキーを差し出す。
「これはどうだ?」
俺はキーを握り締め、渾身の力で窓ガラスに打ち付ける。
ピシッとヒビが入る。
「もう少しだ!」
雅也がバルコニーの椅子を持ち上げ、
「離れろ!」
と、叫び椅子をガラスに投げ付ける。
ガチャーン!!
と、大きな音を立てて窓ガラスは粉々に割れ、そこから中に飛び込む。