「何でお前らが会えて、俺が会え無いんだよ…。」
面白くなくて悪態をつく。

「僕さっき、果穂さんと一緒に写真撮ったよ!」
健も嬉しそうに言う。

「見せろよ。」
思わず翔は手を出すが、

「ダメだよ。式が始まるまで我慢だよ。」
健に言われてバツが悪い。

「式まで後20分だろ?ちょっとだから我慢しろよ。」
優斗が楽しそうに言うのが癪に触り、
翔は不貞腐れる。

「兄さんも一緒に写真撮ろうよ。
ついでにあの、お友達の方も是非一緒に。」

「ああ、そうか。
お前達、初対面だったな。こいつ弟の健。」

「そうか、俺らも話しは聞いていたから、
知ってる気になっていたけど、
翔の会社の副社長の高橋雅也です。
こっちは商品開発部、部長の向田優斗。
よろしくね、健君。」
3人が挨拶を交わす。

「せっかくなんで男4人で写真撮りましょう!」
そう言って、健はシャッターを押してもらう為、スタッフを呼びに行く。

「翔と違って弟は元気だなぁ。
爽やかなサッカー少年を絵に描いたような感じだね。」
雅也がそう言って健を見ている。

「俺と違って、て…どう言う意味だよ?」
まだ果穂に会えない事を引きずる翔は、
ぶっきらぼうに聞く。

「お前の爽やかは作り物だからなぁー。」
雅也がそう言って笑う。

「本当、そんな翔が1番早く結婚するとは思わなかったよな。」
優斗も考え深気に言う。

そんなたわいも無い話をしながら時間を潰し、やっとその時が来る。