朝、気怠い気分の中、重い瞼を開ける。

今、何時?

体を起こそうとするけれどなんだか身体中が痛い。

昨夜の翔さんは……
言葉で言い表せないけど……なんか……凄かった……。

満月は身体が疼くって…言ってたけど?
男の人ってそういうものなの……⁉︎

いろいろ回想してしまい恥ずかしくなる。

と、とりあえずシャワーを浴びて目を覚まさなくっちゃ。

重たい体を起こしながら、翔さんを探すが既に居ない。
毎日の日課のジムに行ったらしい…。

昨夜あんなに動いたのに?
体力ありすぎ……。


7時50分……⁉︎

大変、翔さんは今日もお仕事がある。
朝ご飯どうしよう。

とりあえず、シャワーだけは浴びたい。

重たい身体を引きずりながら、浴室に入って熱いシャワーを浴びる。

鏡の前で服に着替えながら、ふと鏡を見てびっくりする。

えっ⁉︎
こんなキスマーク?

身体のありとあらゆる場所に、紅い花びらの様に浮かび上がっている。

恥ずかしい。こんなとこまで⁉︎
バタンっと、座り込んで思わず悶える。

「果穂⁉︎どうした?大丈夫か?」
ジムから帰って来たらしい翔さんが、バタバタと玄関から小走りでこちらにやって来る足音。

「だ、大丈夫です。こ、来ないで!」
つい、そう言って慌てて服を着る。

洗面所のドアを開けると、
翔さんは、廊下の壁によりかかり待っていたらしく、
「今日、果穂は休みだろ?
1日ゴロゴロしてればいいから。
昨夜は無理させた……身体大丈夫か?」
心配そうに顔を覗き込んで来る。

「だ、大丈夫です…。」
真っ赤になって俯く。

やだ、なんか恥ずかしくてまともに翔さんの顔が見れない…。

「抱き上げるぞ。」

ヨタヨタとリビングに向かう私を心配したのか、抱き上げられてソファに運ばれる。

「何か飲むか?」

「あっ、ミネラルウォータを…。」
ペットボトルのキャップまでわざわざ外して渡してくれる。

しかも、膝掛けまで持って来て私の膝にかけてくれる。

「あ、朝ご飯、作らなくちゃ。」

「大丈夫、朝食は頼んであるからそろそろ届く。」

「…あ、ありがとうございます。」
至れり尽くせりで逆に困ってしまう。

「果穂は今日1日のんびりしてる事。
昼も何か食べたい物、届けさせるから。」

「翔さん、そんな心配しなくても大丈夫だよ?」

「いや、でもさ……身体だるいだろ?
俺のせいだから。」
今朝の翔さんはやたらと私を甘やかしてくれる。