それ以外は滞り無く予定通り進行する。

式の最中に各席に2人で挨拶に周り、
沢山人から祝福と賛美を貰う。

お色直しで一回退席が出来るからそれまで頑張ろと、果穂は笑顔を硬らせながらなんとか
乗り切った。

もう何十人か何百人か、誰が誰かも分からなくなって来た頃、やっと果穂の家族テーブルにたどり着く。

「果穂ちゃんお疲れ様ぁー!」
テーブルに近付いた途端、兄嫁の可奈が果穂に抱きついてくる。

「か、可奈さん、赤ちゃん、赤ちゃん潰れちゃう…。」
果穂は慌ててるが、お構い無しで抱きついて来て慌てて兄が止めに入る。

「もうちょい妊婦らしく大人しくしてくれ…。」

「だって、凄いんだよ!!
元総理大臣とか、歌手とか、後野球選手とかもいたんだよー!大興奮だよ。

果穂ちゃんは綺麗だし、翔さんは相変わらずのイケメンだし、これで落ち着いていられる訳ないじゃない!」

大興奮の可奈と、ハラハラする兄と、
のんびりお酒を飲む父、あちこちを激写して歩き回ってる妹と…、

家族に囲まれて、果穂も束の間やっとホッとする。

「本日は、わざわざお越し頂きありがとうございます。もし体調等崩されましたら、
スタッフかうちの社員にお声がけ下さい。
休憩室も用意してありますので。」
翔がにこやか挨拶をする。

「翔君、いろいろありがとう。
新幹線代からホテル代まで全て揃えてもらっちゃって、みんな旅行気分だよ。」
と、果穂の父もそう言う。