「奥様、綺麗だから心配ですね。
メイクさんに焼けちゃいます?」
初老の着付師の女性が翔にそう言ってくる。
翔は、心の中を見抜かされたみたいで苦笑いする。
「顔に出てましたか?」
「私から見ても、近過ぎじゃないかしらってヤキモキしちゃうもの。」
「そうですよね。」
同意見に安心して、少し話をして気を紛らわす。
「急いで着付けを終わらせちゃうから、
ちょっとの間我慢して下さいね。」
翔は着付師と急ぎ足で、紋付袴に着替えて15分ほどで完成させる。
「旦那様も和装がお似合いですこと。
2人並ぶと雛人形みたいに絵になるご夫婦ですね。」
2人を対(つい)に見て貰え、翔は嬉しく思う。
果穂のメイクとヘアアップは一時間以上かかり、近くで見守る翔はヤキモキしながらその長い時間を耐えなければいけなかった。
「翔さん、和服もお似合いですね。凄く素敵。」
メイクを終えて、ヘアアップの段階になって、やっと果穂と目を合わせて話せる。
「果穂はお雛様みたいだ。着物は苦しく無いか?」
「うん、大丈夫。思ったほどキツく無いよ。でも、何か食べておけば良かった。
きっとあんまり沢山は食べれないかも。」
ふふっと笑う。
会場は17時〜20時近くまで執り行なう予定で、もちろん食事は出るから食べれるのだが、果穂の性格から言って、人前で食べるのはまず難しいだろう。
「何か、少しずつ食べれる物を用意させる。」
と翔はスマホを手にして秘書の新田に連絡を入れる。
朝もバタバタしていて、そう言う細かい事をつい忘れていた。
果穂にお腹を空かせたまま式に出す訳にはいかない。
甘い物を用意しておけば良かったと、
翔は自分の失態に頭を抱える。
そう言えば、と思出し、鞄の中にバレンタインの試作でもらったチョコを入れて置いたのを思い出す。
メイクさんに焼けちゃいます?」
初老の着付師の女性が翔にそう言ってくる。
翔は、心の中を見抜かされたみたいで苦笑いする。
「顔に出てましたか?」
「私から見ても、近過ぎじゃないかしらってヤキモキしちゃうもの。」
「そうですよね。」
同意見に安心して、少し話をして気を紛らわす。
「急いで着付けを終わらせちゃうから、
ちょっとの間我慢して下さいね。」
翔は着付師と急ぎ足で、紋付袴に着替えて15分ほどで完成させる。
「旦那様も和装がお似合いですこと。
2人並ぶと雛人形みたいに絵になるご夫婦ですね。」
2人を対(つい)に見て貰え、翔は嬉しく思う。
果穂のメイクとヘアアップは一時間以上かかり、近くで見守る翔はヤキモキしながらその長い時間を耐えなければいけなかった。
「翔さん、和服もお似合いですね。凄く素敵。」
メイクを終えて、ヘアアップの段階になって、やっと果穂と目を合わせて話せる。
「果穂はお雛様みたいだ。着物は苦しく無いか?」
「うん、大丈夫。思ったほどキツく無いよ。でも、何か食べておけば良かった。
きっとあんまり沢山は食べれないかも。」
ふふっと笑う。
会場は17時〜20時近くまで執り行なう予定で、もちろん食事は出るから食べれるのだが、果穂の性格から言って、人前で食べるのはまず難しいだろう。
「何か、少しずつ食べれる物を用意させる。」
と翔はスマホを手にして秘書の新田に連絡を入れる。
朝もバタバタしていて、そう言う細かい事をつい忘れていた。
果穂にお腹を空かせたまま式に出す訳にはいかない。
甘い物を用意しておけば良かったと、
翔は自分の失態に頭を抱える。
そう言えば、と思出し、鞄の中にバレンタインの試作でもらったチョコを入れて置いたのを思い出す。