果穂の居る場所のカーテンが開いて、

振袖に着替えた果穂が出てくる。

赤に金の模様の振袖は、眩いほどに煌びやかで、果穂は自分に着こなせるだろうかとギリギリまで心配していた。

翔は一目見て惹きつけられる。

そう、それは果穂に初めて会った時の
一目惚れしたあの瞬間のように。

眩いばかりに神々しさを讃え、恥ずかしそうに歯に噛む果穂を見入ってしまう。

しばらく時が止まったかの様な錯覚に陥る。

これが世に言う尊いと言う感覚なのだろうか?