朝、最悪な頭の痛みで目が覚める。

普段から規則正しい生活を送っていた翔にとっては、侮辱にも似た朝である。

起業してからは酒の飲み方には注意し、必要以上に飲む事はなかった為か、アルコールにも若干弱くなっていた。

果穂に出会ってからは、特に酒が必要な日は一度も無く、自暴自棄になって飲むような事はまず無かった。

だが、昨日は最悪だった。

親父世代の上流階級達が、こぞって俺の私生活に首を突っ込み、ああでも無いこうでも無いと説教じみた話が続き、

挙句の果てには、親父までもがそれに加わり俺に長い長い苦労話を聞かせてきた……

飲まずにはやってられ無いと、相槌をしながら飲み始めたのがいけなかった…。