あっ、このイヤリングとネックレスっていくらぐらいするんだろ?

ちゃんと聞いておけば良かったと果穂は思い、その輝きと重厚感に身が引き締まる思いがする。

直ぐに美咲さんが部屋まで迎えに来てくれて、パーティー会場である最上階に連れて行かれる。

美咲もまた、控えめながらも着飾りいつもより可愛らしい。

「美咲さんとても、そのドレス似合ってます。」
果穂が思わず褒めると、恥ずかしそうに美咲は言う。

「果穂さんの方が凄くお似合いです。
また、雰囲気が変わってなんて言うか色っぽくて素敵です。」

色っぽい⁉︎
初めて言われて果穂もびっくりする。
「えっ⁉︎
初めて言われました…、
これだったら翔さんと並んでも恥ずかしくないですか?」

「もちろんです。
社長が気を付けて連れて来るように言われたのも納得です。
変な輩に捕まらない様に気を付けなくては。」

「…それはちょっと盛り過ぎです…。
私はこのアクセサリーを落とさないようにと、気が気じゃありません。」
2人で笑いあって、少し緊張が解ける。

エレベーターに2人乗り込み果穂は美咲に尋ねる。
「既に、パーティは始まっているんですか?」

「いえまだ、6時からですので30分くらいありますが、社長が奥様がお腹を空かせていないかと心配されていまして、控室に少し用意させて頂きました。」

「そうなんですか?わざわざすいません…
ありがとうございます。」

翔さんは何処までも、私の事を見抜いてくれて先に先にと考えてくれる。
凄い人だと改めて思う。