クッタリと俺に寄りかかり、今にも眠ってしまいそうな果穂を抱きかかえ、浴室に向かう。
スイートルームの湯船は広く、2人で入っても十分なゆとりがある。

果穂の髪が濡れないよう、見よう見真似で束ねて留めて、彼女を湯船にそっと下ろす。

ふふっと笑ってくれるから、つられて俺も笑顔になって笑い返す。

俺は手早く体を洗い、湯船に浸かり果穂を背後から優しく抱きしめる。

「結局、翔さんの思い通り。」
ふふふっ可笑しそうに湯船の中で果穂が笑う。

「ごめん…、嫌だったか?」
果穂は首を左右に振って、
「ただ、恥ずかしいだけです…。」

「じゃあ、許してくれる?」

「許してあげます。」

「良かった、ありがとう。」
心も身体も満たされて2人、幸せに酔う。