夕方、優斗主催の二次会を終え、ホテルに帰る。
果穂は疲れたようで10分そこそこの移動中で、睡魔と闘い敗れ翔の肩に寄りかかり、
可愛い寝息を立てている。

そんなあどけない寝顔を見ながら、
今夜の初夜はお預けだな、と翔は思う。

ホテルに着いて、果穂を抱き上げスイートルームに向かう。

その途中のロビーで、ふと声をかけられた気がして振り返る。

「……翔さん…。」
翔は立ち止まり振り返ると、見知った顔がそこに居た。

「…こんな所まで、何しに来たんですか?」
翔は苛立ちを隠す事もせず、その女を見据える。

一難去って又一難…。