唇ぜんぶを覆われて、熱がいっぱい溜まり込んで。

さっきから肌に触れる空気は冷たいのに、身体だけじわっと熱い。


キスの最中に漏れるお互いの甘い吐息がぶつかって。

それをぜんぶ吸い込むみたいに、また唇が重なって。


何度も何度もキスの繰り返し。


こうやって何度もしてると、息だって苦しくなるのに。


「……柑乃キスうまくなったね」

「ぅ……」


千咲くんにしっかり教え込まれたの。


キスのとき息は止めちゃダメって。

苦しくなったらちゃんと口あけて。


……そうじゃないと、長いキスできないよって。