そして夏休みも終わり、体育祭があり文化祭があり…
中間試験が終わりいよいよ秋季大会が始まった。
この秋季大会の成績が来年のインターハイ予選の参考になるので他校の選手たちもしっかりと準備してきているはず。
私も相当練習してきたので新人戦を上回る成績は残したい。
彼も同じだろう…
新人戦で惜しくも逃した雪辱を果たしたいはず。
私たち女子テニス部は円陣を組み皆で気合を入れた。
すぐ隣では男子テニス部も同じように円陣を組んでいた。
そしてそれぞれがアップをするために散らばった。
私は冬優花と一緒にストレッチから始めた。
冬優花「茜、最近すごいよね…部内じゃ負け知らずじゃん」
茜「うん、まぁでも他校はもっとすごいのいるからね…気は抜けないよ」
冬優花「今回は優勝もあるんじゃない?」
茜「さすがにそこまではどうかわかんないけど……でも狙えるもんなら狙いたいね」
冬優花「男子は樋口がまた優勝争いするんじゃない?」
茜「そうだね」
冬優花「アベック優勝とかでいい仲になっちゃったりしてぇ〜♪」
茜「何バカなこと言ってんのよ!真剣にやらないと!冬優花だってベスト8は狙えるんじゃない?」
冬優花「うん、私も遊んでたわけじゃないからね!」
彼女も一年では期待の選手だった。
そして大会は進み、私も彼も冬優花も順当に勝ち上がっていった。
他の生徒も健闘はしていたが三回戦以上は勝ち進むものはいなかった。
冬優花はベスト8に入ったものの準々決勝で敗退した。
そして私と彼は共に決勝まで勝ち上がり決勝戦は隣同士のコートで行われた。
彼と一緒にトレーニングしてきてやっとここまでこれた。
隣りにいる彼を感じながらプレーをした。
先に勝負がついたのは彼の方…
2セット先取して見事に雪辱を果たして優勝した。
一方私の方はフルセットまで持ちこんだものの勝利することは出来なかった。
これまで女子テニス部ではベスト8以上の成績を残したものはおらず「快挙」だと顧問は大喜びしていたが、私は悔し涙が止まらなかった。
冬優花になだめられてなんとか閉会式に参加した。
その後どうやって帰ったかなどほとんど記憶にないほど悔し涙を流していた。
第十七話へつづく…