桐野くんと夕飯を食べたり、話したりするようになって5日が経った。
それでも私は桐野くんのことがよくわからなかった。
お互い、あまり自分の話をしない。
距離が縮まったのかあまり分からない中、夏休みに突入しました。
「桐野くんもご実家に帰るんですよね?」
「うん、そう」
夏休みは私は毎年住んでいた村に帰っている。
もう住んでいた家はないけれどそれでもちゃんと会いたかったから。
「ではまた二学期に」
「うん」
「…」
今日の桐野くんは少し冷たい感じがした。
大丈夫かな?
桐野くん、ご飯声掛けないとあまり食べないところがあるからな。
少し心配だ。
でも実家に帰ればきっと…。
そう思って私は考えるのをやめた。
だって私にはもういないのだから。
「桐野くんが羨ましい……」
私にはもう家族はいない。
でもこれから会いにいく。
お母さんとお父さんが眠っているお墓へ…。
「運瑠ちゃん、大きくなってー!また可愛くなったねー!」